法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『怪談レストラン』亡者道/海にただよっていた鏡/丑の刻まいり

今回からED映像が変更され、ちょっとした怪談が主題歌に乗せて文章で提示される。EDラストカットの絵も合わせ、なかなか恐怖を盛り上げてくれた。
本編でもAパートの出来事がBパートで語られて時間の連続性を示していたり、予告で確認される次回は初めての2本立てだったり、番組形式に変化がつけられている。終了が近いための遊びか、それとも番組延長があるのだろうか。
「亡者道」は、階段の先にある2階の暗さが、先の見通せない不明瞭な怖さを煽っていて、良い感じだった。実際に2階へ行くと、主人の言葉通りに広く新しい部屋だったというお約束も嬉しい。布団の中から亡者を見る主観映像なども印象的で、角銅博之の演出が良かったのだと思う。
商店街の福引で行った民宿が微妙にショボくて、怪談らしさとは別個の不快感があったのも面白い。幽霊が出なくても、ああいう旅行で失敗した時のわびしさが無駄にうまく表現されていた。
「海にただよっていた鏡」では、鏡の奥から恐怖が忍び寄ってくるというベタなネタだけで構成された怪談。作中作の登場人物も極めて少ない。しかし、サブタイトルの鏡に注目してばかりいたら不意打ちをくらう展開など、短い話ながらツボは押さえていた。
「丑の刻まいり」はオチが読めるものの、それゆえに予定調和に進んでいく物語から、良い意味で不快感をおぼえる。主人公の浮気を台詞などで明示せず、タクシーの社内に薄っすら女性の姿が見える暗示描写にとどめているのも良い。自主規制かもしれないが、ホラーとしても効果的だった。