法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『怪談レストラン』神かくし/井戸の底のばあさま/白いマフラー

「神かくし」は、ギャルソン達の台詞で自覚的に語られているくらい古いネタを、子供向けに説教っぽく味付けしたもの。キャラクターを固定しているおかげで登場人物の個性を把握できてきたから、それなりに展開についていけるが、独自性は足りないな。
「井戸の底のばあさま」は、短い時間の割りに内容を詰め込みすぎ。仮装大会としては楽しかったが、やはりアンコの眼鏡は外すべきじゃないか。せめて古い時代の眼鏡っぽくデザインをアレンジするとか。お払いをしないまま工事が進められたというオチの、怪談らしい居心地の悪さは嫌いじゃないが……
「白いマフラー」は、いわゆる「奇妙な味」に位置づけられる掌編。『月の野ざらし』という奇妙な昔話をモチーフに、サイコサスペンスともファンタジーともつかない、超自然現象こそ起きないが不条理な体験が語られる。短い放映時間で恐怖を出すには、最良の選択だと思う。語り自体に雰囲気があったし、昔話では頭身の低いファンシーな絵柄を採用して恐怖を浮き上がらせる演出も良かった。


演出は細田雅弘、作画監督には連名で小泉昇。青空から夕暮れに変えることで時間経過を表現する演出が多用されていたが、時間説明には効果的でも実感がともなう演出とは言い難く*1、怪談には合わないと感じた。
次回は古賀豪演出で、高橋晃作画監督だから期待していたが、予告映像を見る限りでは、特に怖い内容でもなさそうだ。

*1:ひぐらしや鴉の声を入れたり、肌寒さを登場人物が感じる方が、ホラーらしい実感を演出できると思う。ありきたりな演出ではあるが。