「ヴィオレ・魔ゐ」なるハンドルネームを使用する中学生ネットアイドルという時点で苦笑い。
政治や芸能を切りまくるというブログも画面に映し出されるが、その内容は死亡を届け出ず年金を不正受給している者が半数いるという話題もあるようだ。テレビ朝日系列でいうと、『TVタックル』にでも出てきそうな論調。インターネットにおいて一部の人気を獲得できそうな、ある意味で安全な話題ではあるだろうが。
それでもってバトルスピリッツで自分を敗北させた男を探しているわけだが、男が魔ゐと戦った理由、魔ゐが男を追う理由、それぞれふるっている。一方はストーカーじみた崇拝が反転したものだし、一方は反論のためだけに追いかける粘着。どちらもここまで貫けば逆に立派。「上から目線」という流行り言葉も使われ、個人的に身近な話題である分、逆に爆笑できた。対象層をしぼるほどギャグは笑える。
バトルスピリッツを最も重視するダン、その価値観を否定する内容を、シリーズ構成の脚本でやる冒険自体も凄かった。
「呪撃」の効果をホラーのように描く演出や、ベルゼビートの召喚CGに気合が入っていて、ゲーム自体の描写はよくできていただけに、脚本のひねくれ具合が良くも悪くも楽しい。
