「指導」中の事故死としては、そう珍しい判決ではないと思うが……
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2009083101000594.html
海自の審判役教官に罰金50万円 特殊部隊の格闘死
2009年8月31日 22時53分
海上自衛隊の特殊部隊「特別警備隊」(広島県江田島市)の養成課程で昨年9月、3等海曹=当時(25)、死亡後2曹に昇進=が15人相手の格闘で死亡した事件で、呉区検は31日、業務上過失致死罪でレフェリー役だった担当教官児玉伸吾2曹(39)を略式起訴した。呉簡裁は同日、罰金50万円の略式命令を出し、児玉2曹は即日納付した。一方、広島地検は同日、児玉2曹とともに業務上過失致死容疑で書類送検された別の教官の3尉(42)、養成課程の教育を担当する特別警備隊第3小隊長だった3佐(50)、同課程の学生で3曹が倒れた際の対戦相手だった別の3曹(29)の3人をいずれも不起訴処分(嫌疑不十分)とした。
刑事処分を受けて、海自事故調査委員会は近く、最終報告と関係者の処分を発表する。地検によると、罰金刑となる見通しを30日に担当検事から伝えられた3曹の両親は「息子の命はそんな軽いものですかね」と述べたという。
起訴状によると、児玉2曹は昨年9月9日、海自第1術科学校のレスリング場で15対1の連続格闘訓練を行った際、死亡した3曹が14人目との対戦を始めるまでに疲労して防御できなくなっていたのに、漫然と格闘を続けさせた過失があったなどとしている。
(共同)
ダブルスタンダードだから何? - 法華狼の日記で言及した事件だが、存外に小さな扱い。必ずしも遺族感情を判決へ反映させるべきとは思わないが、そもそもその感情すら一言しか記述されないくらいに情報量が少なすぎる。
衆議院選挙、それも政権交代があった直後なので、注目度が低いのは予想されたことだが、たとえば同時期に発覚した時津風部屋事件との扱いが違いすぎるとは感じる。
この事件を起こしたのは、日常的に仕事として格闘を行っている力士どころか、生死にふれるべき職業である自衛隊員だ。たとえ訓練という額面を信じたとしても、部下を死なせてしまった責任は、一般人より重いと思う。以前に「また自衛官の犯罪についても、何十万人と居るのだから一定の確率で犯罪は起きますね、だからどうしました、で終わりです」*1と語っていたJSF氏はどう思うだろうか。
*1:http://obiekt.seesaa.net/article/123715257.htmlより。念のため、特定の犯罪を対象にした言葉ではない。