少し前、久しぶりに以前のエントリ*1が下記スレッドにコピペされ、あいかわらずの薄い反発ばかりだったが、読み進めると爆笑できる書き込みがあった。
●韓国人アニメーターに汚された作品を語るスレ7●
544 :メロン名無しさん:2008/12/11(木) 06:48:18 id:DLi1ub9v0
>>537-538
カレイドスターの監督・佐藤順一は東京ブサ六大学(東大・早稲田・明治・中央・法政・日大)の一角にして、全共闘時代最も過激な学生が集っていたことで知られる日大芸術学部出身。
そして現在は、創価系企業ハル・フィルムメーカーの取締役。
反日表現であると解釈するしかないのだが?
いやはや、この発想はなかった。もはや韓国人アニメーターが汚したとか関係ない。
佐藤順一監督といえば、『きんぎょ注意報!』でアニメに少女マンガ的表現を持ちこんだ演出の先駆者であり、『美少女戦士セーラームーン』『おジャ魔女どれみ』『ケロロ軍曹』『カレイドスター』等々の大ヒットアニメを監督*2、甚目喜一名義で『機動戦士Zガンダム』『新世紀エヴァンゲリオン』等の絵コンテも手がけている。
佐藤監督を反日アニメ演出家と認定してしまえば、相当数の素晴らしいアニメ作品を楽しめなくなるのではないだろうか。バカバカしい限りだ。
しかし、上記の引用文には、ある程度わざと陰謀論を開陳している素振りも感じる。
かぶせて陰謀論を述べさせてもらうと、佐藤監督は東映出身の演出家であり、東映といえば創価学会系のアニメを多数制作している会社。さらに木根尚登*3原作『ユンカース・カム・ヒア』をアニメ映画化した監督でもある。
また、他に日大芸術学部出身の著名なアニメ作家といえば、『機動戦士ガンダム』の富野由悠季監督がいる。富野監督は自身が見出した声優朴ロ美に対する差別感情を批判し、民族差別主義者から反発されたことがあった*4。
もちろん、上記の陰謀論は自分でもバカバカしいとしか評しようがない。信者でなくても金払いの良い創価学会の仕事を行う人は珍しくない*5。
富野監督も学生運動においては体制側で活動していた人であり、現在でも必ずしも左派にはあたらない。民族差別批判は保守的な思想からでも行える。際限なく反日認定していけば、味方を減らすだけだということが、この種の人々には理解できないのだろうか。
*1:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20070616/1181943964等。
*2:シリーズディレクター、総監督表記をふくむ。
*4:http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anime/1171720897/他
*5:実際に観たことはないが、中野昭慶が特撮監督をつとめた映画『人間革命』は、知られざる傑作特撮が楽しめると聞いたことがある。