法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

ソマリランド(ソマリア北部)でテロ

一口にソマリアといっても内戦続きであり、国際的に承認された政府の他にもプントランドソマリランドといった地域が独立を宣言している。
特に、ソマリランドは流通していた武器を厳しく規制し、道端で両替商が営まれるほど治安がいいことで有名だ。さらに選挙を経た政府運営や独自通貨の発行も行われている。
しかし内部にかかえている独立運動を勢いづけないためアフリカ諸国が反対したりと、諸々の事情で国際的には独立国として承認されていない。


そのソマリランドで連続自爆テロがあった。ごく個人的な話として、ソマリランドに影響された二次創作小説を完結させたばかりなので、より驚きが大きかった。
http://mainichi.jp/select/world/news/20081030ddm007030072000c.html

ヨハネスブルク高尾具成】東アフリカ・ソマリア北部のソマリランド自治政府の中心都市ハルゲイサで29日、国連開発計画(UNDP)事務所やエチオピア大使館などを狙った連続自爆テロが3カ所で起きた。98年に自治を宣言している北東部プントランドの港町ボサソでもほぼ同時刻に2件の自爆テロが発生。中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、いずれも自爆テロで少なくともハルゲイサで19人、ボサソで6人が死亡、負傷者多数が出ている。

 ハルゲイサでは自治政府の大統領府にも車が突っ込み爆発。ボサソでは自治政府の情報機関の敷地で車に積まれた爆薬が爆発した。犯行声明などは出ていないが同日、ソマリア暫定政府幹部は隣国ケニアで周辺国を交え、穏健派イスラム指導者との権力分担を協議中で、妨害を試みたイスラム系過激派勢力の犯行との見方がある。

 エチオピアのセイヨム外相も「不安定化を狙ういつものテロリスト(の犯行)だ」と発言した。

 ソマリアは91年に内戦状態となって以来、事実上の無政府状態で、首都モガディシオには国際医療支援団体の日本人女性医師が武装勢力に拘束されたままだ。沿岸部では海賊被害が続発している。

毎日新聞 2008年10月30日 東京朝刊

他の記事では28人死亡と報じられていたので首をかしげたが、プントランドのボサソで死亡した3人が入っていないからか。北海道新聞記事http://www.hokkaido-np.co.jp/news/international/126279.htmlでは「ハルゲイサの死者は25人、ボサソの死者は3人」とある。しかし毎日新聞記事を読むとボサソの自爆テロにも言及されている。……と、ここまで読んでようやく気づいたが、あくまで中東のテレビ局アルジャジーラが報じた内容が25人死亡だったということか。情報の確認に時間がかかったのだろうし、報道後に亡くなった人もいたかもしれない。となると、さらに死者数が増える恐れもある。
何にしても、比較的に治安がいいソマリランドでこれほど規模が大きい連続テロが起きたことに驚いたし、「不安定化を狙ういつものテロリスト(の犯行)だ」というエチオピア外相のコメントには違和感が残った。ソマリランドも他地域との境界近辺では緊張関係が続いているのだが、暫定首都での大規模テロは無かったはず。少なくとも「いつものテロリスト」などと同列視していいものか。
続報待ちだが、国際的に認められた地域でないため大使館のような機能を持つ機関がなく、なかなか情報が入ってこないのがつらいところ。