冒頭での長時間な主観カットから、終盤のロングカットでじっくり見せる帰還まで、劇場アニメのような迫力ある構図が多く、映像表現は充実していた。作画は甘いところと力を入れたところが半々だが、よく動いている。老婆から話を聞いている室内や、海底遺跡の全景等、背景美術もがんばっている。
また、キャラクターデザインに藤子Fらしさがあったおかげで、アニメオリジナルストーリーのわりには見ていて違和感が少なかった。子役声優の異質な性質も独特の空気感がある*1。
ストーリー自体については、特に独自性のある展開や設定もなく、原作ストック消費を抑えるための延命策にしか見えず。一つだけ、純真な目をしずちゃんが持っていないと公式に描写されたことだけは大いに受けた。
作品とは離れて、制作側に対する話だが、ただの風変わりな地形を海底遺跡として持ち出しているのは感心しない。
http://www.tv-asahi.co.jp/doraemon/contents/topics/backnumber/0120/top.html#a
他の子供向けマンガならともかく、ドラえもんはトンデモ趣味と同時に、それへ批判的な視点があることが魅力だ。ネッシーを批判的に検証した回や、予言に踊らされる人々を風刺した回など、傑作も多い。
トンデモを使うにしても、『大長編ドラえもん のび太の日本誕生』みたいにマイナーなネタを駆使するような工夫をしている。
与那国海底遺跡のように有名な、それも明らかなトンデモネタを直接的に使うのは、ちょっと安易すぎる。あまり好ましく思えなかった。