以前に感想を書いた*1『ネオ少年探偵』シリーズの最終巻。
今回は犯人に少年探偵団が監禁され、工夫をこらして脱出しようとするという、江戸川乱歩『少年探偵団』シリーズへ明確なオマージュがささげられている。
ヒロインが過去に出会っていた事件も解決し、名探偵対決の要素もある。シリーズラストにふさわしいだけの密度はあった。
ただし、謎解きには食い足りなさが残る。以下、ネタバレをふくむ感想。
2人の名探偵が対決する推理小説でよくある、片方の名探偵が犯人というオチ。しかも一方がシリーズ名探偵なため、真犯人が当初から明白なのはいただけなかった。
予言の真相はシンプルで良いが、これも予想をつけるのは難しくない。
ヒロインが出会った過去の事件も、存在したはずの人間を誰もが知らないと証言する「消えた女」ジャンルの類型にとどまる。大事件を隠すために全員が嘘の証言をしたという真相は子供向けにしても古すぎるし、別の事件との繋がりもとってつけたよう。
つまるところ謎解きはおまけで、犯人と少年との対決を楽しむ作り。そういう視点では、シリーズ名探偵が別の場所にいるため協力をあおげず、子供達3人だけで犯人と立ち向かわざるをえない状況設定が効果をあげていた。