法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム00』MISSION-23 世界を止めて

〜死を前にした率直な台詞が色々な意味で良かった〜
絵コンテ演出は長崎健司。前回担当したMISSION-18に続いて、濃厚なアクションを堪能させてくれた*1
最後の大貫健一キャラ作監回だけあって、こってりした影や荒々しいタッチをつけたキャラクター作画も眼福。西井正典メカ作監らしく、アクション作画も良い出来。原画には阿部美佐緒の名前もあった。これまでの節約とスケジュール安定が効いたか、コクピット内の背景動画等で、作画枚数を使って動き回らせながら、中割りが荒れていないのも素晴らしい。
しかし終盤に入って、宇宙描写のリアリティが落ちているのは気にかかる。ガス状の光が背景に描かれているのは資源衛星が集まっている宙域だから良いとして、煙が上に昇って見えないようには気をつけてほしかった。


キャラクターの死は、じっくりと手間をかけて悪くなかったが、主人公側は全員が泣くより、それぞれのキャラクターを活かした反応が見たかったかな。死自体に脚本の都合は見え隠れしていたものの、自己犠牲ではなく限られた手札で虚仮の一念を通したよう描かれていたのも良かった。
アレルヤの脳量子波を遮断するという展開それ自体は、以前から人格が変われば苦しまなくなる描写がくりかえされていたので、伏線は充分にあった。むしろ見せ場にするべき展開を、時間が押しているためにと流してしまった感がある。やはりシリーズ前半に時間をかけすぎたか。

*1:そういえば、主要登場人物が悲劇にあう展開も同じだ。後半から助監督に入ったが、水島精二監督から相当に信頼されているのだろう。