法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』森は生きている

悪い出来ではなかったが、ドラえもん1人で説得を試みた原作とは終盤のニュアンスが全く違う。
孤独な少年がただ1人持つ友人が説得するのと、引きこもった少年を友人たちが迎えに行くのでは、どうしても後者の状況が軽い。


動画工房協力回らしく作画にクセはあるものの動きは良く、高い樹木から夜の街を眺めるなど映像的には見所が多い。
……そういえば先々週*1動画工房回で、秘密道具で作られた非生物ヒロインにのび太が恋されるという展開がかぶっていたな。


非人間ヒロインが突如として主人公と同居しはじめる作品群*2を「女ドラえもん」と呼称することがある。
そういった作品を本家本元『ドラえもん』で展開させると、短編作品という制約があるため別離が早く、かなり痛くて切ない作品になる。コミュニケーションを上手に取れない主人公に対して、暖かさと同時に突き放す冷たさを作者が持っているからだろう。
TVアニメも悪くはなかったが、ひとときの良い夢として出会いと別れを描く原作は「精霊よびだしうでわ」「森は生きている」のどちらも短編漫画として絶品。それぞれ単行本の21巻と26巻に収録されているので、一読をすすめる*3

*1:タイトルは「のび太に恋した精霊」。原作タイトルは「精霊よびだしうでわ」。

*2:ああっ女神さまっ』等。

*3:なお、現在ヤフーで「森は生きている」を無料公開中。http://doraemon.yahoo.co.jp/woods/index.html