法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

三秒でわかるまとめ

南京大虐殺が特別視される……ように見えるのは、歴史に無知な人が南京以外をほとんど知らないから。


歴史研究者や、戦争犯罪を批判する者の多くは、国内外の様々な事例を広く見ようとする。そうでないと研究なんてできやしない。
たとえば吉見義明『従軍慰安婦』では、第二次世界大戦における各国の戦時性犯罪に多くの頁がさかれている。
題名に「南京」が入っている本多勝一『南京への道』でも、南京へ進軍する旧日本軍が途上で行った戦争犯罪を記録している。
歴史修正主義では、『対抗言論』という下記サイトの目次を見ただけでも、南京事件以外の様々な論点を取り上げていることがわかるだろう。
http://homepage3.nifty.com/m_and_y/genron/hatsugen.htm


逆に問い返してみよう。
南京大虐殺を特別視するなという主張をするために、どれほど他の戦争犯罪について取り上げているのか。日本の戦争犯罪を矮小化させるために引き合いに出すか、せいぜい国籍や民族で差別する口実にしているだけという例が多くないだろうか。
日本の戦争犯罪を他国もやっていると主張することが相対化でないといいたいなら、逆に他国の戦争犯罪に対して日本もやっていると主張したことがあるのだろうか。


はてなグループ

大量虐殺や大量レイプ自体は、中国やアメリカを含む多くの国の人々自身も、

いくたびも行っているが、それらの一つ一つについて、

最近まで国家レベルの謝罪が求められ、非難決議が行われているという話は、

少なくとも多くの一般の日本人が耳にするほどアピールされてはいない。*3

3:もちろん、非難決議されたものも、一部にはあるだろうが

大量破壊兵器が存在しないらしいとわかった後のイラク戦争の口実とか、何だったのだろうかと思う。
トルコに対する非難決議も報道されており、歴史修正主義者が反発した例もある*1

*1:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20071101/1193933236の後半参照。だいたい非難決議は、現代においても否認を続けようとする者を意識するもの。事件当時の状況だけを考えても意味がない。