法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『NHKスペシャル』A級戦犯は何を語ったのか 〜東京裁判・尋問調書より〜

東京裁判を連合国側、検察側からの視点で描く。侵略戦争をいかにして裁くかという視点は、視聴者に東京裁判への反発を強くいだかせないためかもしれない。
主な尋問対象は、軍人首相の東条英機と文官首相の広田弘毅を、対比するように取り上げている。


主要な内容は「共同謀議」を立証しようと尋問をくりかえす検察の姿。もちろん、現在の目から見れば、そして当時から見ても日本の戦争が共同謀議によってなされたという考えは、やや的外れだろう。検察側は計画的に日本が侵略行為を働いたと考えていたわけだが、実際には日本は無計画に侵略戦争を拡大していったのだから。
ドキュメンタリーとしては正しく検察側の意図を見せているわけだが、意図のずれが薄くしか説明されず、隔靴掻痒な感が残った人も多いのではないかと思った*1


他には、中国独自の被告選定が証拠にとぼしいとして一度退けられたこと、第三国検事が調査に向かって南京で行われた暴虐を確かめたこと。
そしてオーストラリアが昭和天皇を被告とすることに最後までこだわっていたあたりが目を引いた。


ちなみに、東条や広田は再現映像で役者が演じているのに、御前会議の再現映像は人物キャラ無しのCGという点には苦笑い。昭和天皇の写真は映され、天皇の戦争責任にすら言及されているというのに。

*1:次の日も見れば、疑問が解消されるところもあるが。