前半後半で別の話にせず、やや長めの原作を少し膨らませて30分アニメにするパターン。以前は1時間スペシャルくらいでしかやらなかったが、リニューアル後からは通常放映でも見られるようになった。
原作からの主な変更は、思い出の語り手がのび太のおじさんから動物園で出会った老人へと変化しているところ。旅行好きなおじさんが伏線になっていたのだが、さすがに年齢的に不自然なため、やむをえない変更だろう。ただしメガネをかけた大人という外見は、戦中の飼育員とかぶるため、もう少し別のデザインが良かったと思う。
映像には、毎年夏に戦争童話をアニメ化するシンエイ動画らしいというか、妙に戦時の雰囲気が表れている*1。白く飛んだ背景で表現される、夏の陽射しとノスタルジア。屋内のカメラ位置にもこだわりが見え*2、面白味のあるレイアウト。空襲も廃虚も相当に力が入っている。ただ、爆風を直接浴びてもほとんど無傷な登場人物は不自然だ。全体の自然さ、空気の統一感は原作が勝っていると思う。
象をインドに送るくだりも、原作のように飼育員ただ一人が知っているという展開の方が良かった。緊張感を強調しようとして主人公に大きな障害を与え、それでいて軽く障害を取り除き、視聴者を落胆させてしまうパターン。加えてアニメの状況ではドラえもんたちが戦時都市伝説として残ってしまいそうだ。
アニメ版でも、象の寿命を補足するしずちゃん他、レギュラーキャラの描写には良い部分が多く、総体としては良いアニメ化だったとは思うのだが。