あえて注記することもなく、予想された通りに進行したというだけではある。
どちらかといえば、この期に及んで現実を直視できない右派や自称中道の情けなさが泣ける。ワシントンポストの広告で米国世論が動くと思い、安倍総理が河野談話を否定すれば決議案が通らなかったと思っているのだから。……広告によって世論が動くという考えはまだわからなくもないが、河野談話を継承しないことで米国が決議案否定に向かうという思考形態はさっぱりわからない。
この問題は昨日のエントリと合わせ、“我ら”と“彼ら”の境界線を感情的に設定する問題ともからむ。法的拘束力のない決議案、しかもアジア女性基金などを高く評価しているのに、一般の日本人が拒否するような理由は合理的に存在しない*1。
中国や朝鮮半島の従軍慰安婦ばかり注目し、日本国内の従軍慰安婦は相対化に利用し、オランダやフィリピン等の慰安婦は言及すらされないことも同じ問題だろう。中国や韓国との間に敵味方の境界線を引き、同じように従軍慰安婦にされた非戦闘員の子孫という視点は全く存在しない。
*1:もちろん他国から注意される前に謝罪の姿勢を示せることが最善だが、日本政府として過去に行った謝罪を否定する政治家が与党や最大野党に複数存在する時点でかなわぬ願いだ。