女子格闘というか、キャットファイト小説。セクシャリティやジェンダーの比重大き目。
主人公3人の視点で少しずつ時系列をずらしながら、相手の台詞や行動が裏に色々なものを隠していること、そのために切断されるコミュニケーション、その世界との断絶をそれぞれが格闘で繋ぎ直す……という話。
トラウマ話やリアリティが薄すぎるだろうと突っ込みたくなる小道具もありつつ、それなりに抑制が効いているのでライトノベルと思ってみていると思わぬ深みを感じる。
それぞれ師匠との関係が教え導かれるものではあっても、人間的には対等なあたりが女性の物語だと感じる。女性向小説や漫画で先輩後輩、兄弟子弟弟子な関係からドラマがつむがれることはあまり見ない。ここしばらく見返しているアニメ『カレイドスター』が男性人気にとどまったのは、作品の質ではなく方向性が男の物語だったのかもしれないと思う。
本文感想とは関係ないが、作中で出てくる『アベノ橋魔法商店街』をまだ見終わっていない。早く見ておかなくては。