演出から展開からよく出来ていて、ちゃんと恐く仕上がっていた。
作画監督も東映ではあまり見ない薮本陽輔だが、画面が相当に整っている。怪談は奇妙な絵でも個性的な絵でもかまわないが、ラクガキと思わせる絵で恐がらせるのは難しい。
ネタバレにつき、以下は続きを読む方式で*1。
つまるところ、オーソドックスな幽霊話だが、隙がない。
飲み屋のテレビ番組が伏線となりつつ、オチで同じ飲み屋の構図がくり返される。フリをテーマに重ねつつ回収することで、構成に端正さを感じさせる。
鬼太郎たちは人を殺したりせず、後味が悪いままにもせず、過剰ではない説教と合わせて、きちんと子供番組としても成立しているバランス感覚もいい。
死者といわれれば死者に見えるが、生者の隣にいても違和感がない色指定も絶妙。
長谷川圭一脚本に角胴博之演出。個人的には好きなスタッフではないが、ホラーならば信頼できる布陣。
しかし、ゲスト妖怪名を白字の無機質なテロップで出すのは、どうにかならないものか。興がそがれる。せっかくED前にまとめ的なコーナーがあるのだから、そこで説明する等の形式にしてほしい。
*1:ネットで先にネタバレ感想を軽く目にしてしまったので、楽しさが半減してしまった。