法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

「話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選」の投票集計結果の雑感

新米小僧氏によって、参加したブログの集計がおこなわれていた。
shinmai.seesaa.net
順位の重みづけがされず、かつ知られざるエピソードをほりおこすため1作品1話が原則というシステムのため、いつも最上位が意外なエピソードになる。
とはいえ、全話が安定していて、かつ突出したエピソードがあった印象でもない『ゆるキャン△』から、途中の第5話が1位になるとはまったくの予想外だった。推しているブログの評価を見ると、冒頭の温泉シーンで性的サービス回かと思わせて、本編は普通にキャンプをテーマにしたドラマをしっかり描くという落差で高評価された様子。
逆に、人気や評価が高いだけでなく、2018年初期に放送や配信がされて視聴者数そのものも多い『宇宙よりも遠い場所』は、トップ3に顔を出すと予想していたが、推されるエピソードが分散した結果として、第5位に第11話と第12話が同票で顔を出していることに。


例年の傾向として、ややシリアスかつ少女がメインとなった作品が上位にならぶ。2位の『SSSS.GRIDMAN』第9話も、少女の物語として評価されている感がある。
そのなかで第8位と健闘しているのが『BORUTO』第65話で、作画アニメとしての注目と評価が集中した様子。2017年の話数単位で作画アニメが投票集計1位をとった*1ことを思い出す。


なお、私の参加エントリは下記のとおりで、例年になく他に推す意見のあるエピソードばかりだった。『ドラえもん』も他に推すブログがひとつあった。
話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選 - 法華狼の日記
私しか推さなかったのは『アニマエール!』第3話と『グランクレスト戦記』第24話のみ。しかも後者で比較的に言及した作画回『BORUTO -ボルト-』第65話と『ブラッククローバー』第63話は両方とも複数のブログが名前をあげている。

映画の邦題や宣伝のダサさについて、マニア層よりライト層に売りたいという主張はわかるが、両方に受けた事例があることを否認するのはダメでは

邦題や宣伝の方向性について、匿名のプロデューサーからコメントをとった記事があった。
「ダサい邦題」「タレントでPR」、熱心な映画ファンが“無視”される事情 稲田豊史の「コンテンツビジネス疑問氷解」|ビジネス+IT
ざっくりいえば、マニアは少数だし何をしても最終的に見にくるから、ライトな一般層にリーチするためわかりやすさを優先するというもの。
単純にマニア層よりライト層の数が多いだけでなく、マニア層の評価による宣伝も期待できないと、このプロデューサーは主張している。


不思議なことに、検索エンジン最適化についての言及がない。そのあたりを全く意識していないかのような邦題が韓国映画につけられがちな謎は解けなかった。
『弁護人』 - 法華狼の日記
『アシュラ』 - 法華狼の日記
上記の他にも、原題から直訳された映画『お嬢さん』は一般名詞でもあり、同名の日本映画もあることだし、原作の邦題と同じ『荊の城』というタイトルにするべきだと感じたものだ。
仮説としては、韓流ブーム初期にシンプルな邦題の映画『シュリ』がヒットした前例があり、かつ現在の韓国映画はミニシアター系が多いため、わかりやすさを犠牲にできると考えられるが……


さて、プロデューサーの主張をつたえた記事へのコメントは否定が多いが、理解を示すコメントもいくつかある。
その個別の当否はさておいて、下記のコメント*1だけは事実認識に首をかしげざるをえなかった。
はてなブックマーク - 「ダサい邦題」「タレントでPR」、熱心な映画ファンが“無視”される事情 稲田豊史の「コンテンツビジネス疑問氷解」|ビジネス+IT

id:machinematine 映画ファン好みのシンプルでオシャレなデザインのポスターだったけど、「ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」はそこまでヒットしなかった。結局、この手の話に文句言ってるのはノイジーマイノリティなのよ。

ポスターが評判になっただけでなく、デザイン化されたキービジュアルも印象深かった作品だ。
「映画ドラえもん」新ポスターが超カッコよくて大人もぐっとくる 起用の理由は?
私も第一報のティザーサイトの時点で、その珍しさに強い印象を受けた。
2017年の『映画ドラえもん』の公式サイトが公開&『クレヨンしんちゃん』のオリジナルエピソードがAmazonプライムで独選配信 - 法華狼の日記

情景としては、巨大な氷山を豆粒のような登場人物が見あげるティザービジュアルが確認できるのみ。

ここまで力強く、キャラクターに頼っていないティーザーは珍しいですね。
スクロールさせて全貌がようやくわかるという点で、WEB向けデザインとしてもよくできている。

俳優でもないタレントをゲスト声優に使っていたが、それはシリーズの恒例であり、この作品だけの宣伝ではない。むしろ本編では動物的なキャラクターで鳴き声を出させるにとどめて、比較的に違和感を抑えていた。
宣伝の一環としてスケーターがダンスするイメージソングを作ったが、それは本編には用いられなかった。


そして「そこまでヒットしなかった」というが、実際は2006年のリニューアル以降で、最高興収を更新した。
その記録は次年度の作品『のび太の宝島』がさらに興収記録を更新したニュースにおいて言及されている。
『映画ドラえもん のび太の宝島』興行収入44.4億円突破 | アニメイトタイムズ

★『映画ドラえもん』新シリーズ(※)で、昨年に続き興行収入歴代1位を更新!
★2016年公開『新・のび太の日本誕生』以来、3作連続の40億超え
★これまでの新シリーズ最高興行収入記録
映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険(2017年3月4日公開)
44.3億円

念のため、もっとライトな一般層に向けた宣伝をすればさらに興収がのびたという仮説がなりたたなくもない。
しかし事実として、マニアもライトも両立する作品はありうるし、あったことは認めるべきだろう。

*1:はてなスターをつけたアカウントも列挙すると、id:iwwid:whkrid:sbedit1234id:asakura-t

山形浩生氏が統計の捏造の困難性だけをもって経済指標の信頼性を絶対視していたことのメモ

発端は、なぜ全幅の信頼をおけるのかとリフレ派への疑問をつぶやいた柳下毅一郎氏のツイートだった。それを山形氏が全否定するように反応した。

アベノミクスで経済がよくなってるとおっしゃるリフレ派の方々は、なぜ財務省の出す経済指標は捏造されてないと信じられるのだろうか。

呆れたよ、柳下。どの統計が捏造だと思ってるか知らないが、統計は多くの場合類似のものが複数あって、しかも相関するはずのものも多く、一部を操作したらつじつまあわなくなることが多いからだよ。自分の実感だの目の届く範囲がいかに小さくあてにならないかも忘れた、夜郎自大な全能感に陥るとはね。

困難性をもって捏造されていないことの根拠になるのであれば、たぶん日本の公文書が改竄されることもなかったろう。


その後、統計が疑わしいという報道と関連づけるツイートに対して、異論が出るのも当然だという反論をおこなっていた。

内閣府の統計の信憑性についてのニュースに関連して、山形浩生氏がいじることはありえないと断言していたのを思い出してクリップ。

統計は、小学生のお天気日記とはちがうので、多様なデータの集計方法に様々なやり方があるのです。当然異論も出ます。いろんな人や機関がデータを見て、そのあり方をこのように検討しているということ自体、統計をそうそう勝手に捏造するのはむずかしいという証拠でもあるんですよ。

しかし異論が出るのが当然であれば、もともとの柳下氏の疑問の裏づけにならないだろうか。


そして先日から、厚生労働省が不適切な調査をおこなっていたことが明らかになったと報道されている。
「国際的に日本の統計に信頼が損なわれるおそれ」雇用保険や労災保険で過少支給も | 注目の発言集 | NHK政治マガジン

雇用問題に詳しい嶋崎量弁護士は「国の統計調査が本来と異なる手法で行われていたことは極めて重大な問題だ。国の発表データは雇用保険の失業給付や労災保険にも影響し、景気判断の指標などにも使われる。また、民間でも春闘で労使が賃金を決める際、参考データとして使われていて、国際的に日本の国の統計に対して信頼が損なわれるおそれがある。あってはならないことなので原因を究明し、再発防止に取り組んでほしい」と話しています。

このような不適切な処理が組織的におこなわれていたという報道もある。
雇用保険、数十億円超を過少給付 勤労統計問題の影響で - 共同通信 | This Kiji

また厚労省の担当者が2004年に本来とは異なる調査手法に変更した後、担当者間で15年間引き継がれてきた可能性があることも判明した。調査手法を正しく装うため、データ改変ソフトも作成しており、厚労省の組織的な関与の有無も焦点の一つだ。

なるほど、捏造が困難であるということは、その捏造は大規模におこなわれ広く責が問われるものだろう。そしてその悪影響の範囲もささいなものではなくなる。
そういう意味では、統計捏造の困難性を主張した山形浩生氏の見解が正しければ正しいほど状況はひどいのだ、と覚悟しておく必要がありそうだ。

作業所の焼き菓子の素朴な美味しさに悩む

ダウン症が作った焼き菓子について、食べられないのが一般的な感覚のように主張する匿名記事があった。
はてなブックマーク - お前らダウン症がつくったクッキーとか食えるの?
はてなブックマークでは当然のようにそうではないという反応が多いわけだが、少し外れて素朴な味のおいしさがあるというコメントがいくつか印象に残った。


あくまで私個人の見聞であるが、そういう作業所で食品を作っている知人や、イベントに参加した経験からすると、何となく理由に見当がつく。
そういった焼き菓子やパンなどは、たいてい原価率が高いようなのだ。一般的に食品の原材料費は小売価格の1/3以下におさえるべきらしいが、小売価格の半分以上を原材料費に使っていて、人件費が出ないくらいだったりする。
バターなどを使えない安価な焼き菓子でも、マーガリンや食用油ではなく、少しでも高価な代用バターを用いていたりする。そんなひとりに意見を求められて、少しは原価を抑えるべきと思ったことを伝えても、そうしないと客が来ないという不安を口にされたりした。
そのように技術不足などの埋めあわせに高価な食材を使っているのかもしれないし、はてなブックマークでも指摘されているようにオーガニックの流れがあるかもしれないし、そもそも作業所そのものが商業を度外視しないと成立しづらいためかもしれない。


いずれにせよ、素材の善し悪しがそのまま味に出るような焼き菓子であれば、値段以上の味がすることは珍しい話ではないと感じている。けっこう穀物の味の違いが出るものだし、ふんだんにナッツを入れればそれだけで味がグレードアップする。
売る側が無理している結果なので、そうした美味しさを素直に喜べるかは悩ましいところがある。それでも商品を買って食べてもらうよう願っていることも身近に知っている。興味があれば買いつづけたいし、買って楽しんでほしいというのが素直な気持ちだ。

「映画映画ベストテン」の集計結果が出ていた

2018-12-24
他の投票で見かけはしたが目立ってなかった『桐島、部活やめるってよ』が1位という意外性や、ひとりふたりしか投票していないように感じて意外だった『食人族』がきっちり50位以内に顔を出していたのが興味深い。

1位:桐島、部活やめるってよ 169.5点 得票数25

36 位 食人族 26.0 5

アニメからはひさしぶりに私が票入れしたものでトップテンに入る作品がひとつ。20位以内にもうひとつ。

6位:千年女優 90.5点 得票数15 

19 位 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ! 夕陽のカスカベボーイズ 41.0 6

それぞれ私は1位と5位で投票していた。
映画映画ベストテン〜アニメ限定〜 - 法華狼の日記
この企画で私があげた作品が上位に入るのは珍しいが、実際に他の投票を見てまわって上位につけている傾向を感じていた。
他にアニメ関連としてスタジオジブリドキュメンタリーの『夢と狂気の王国』が45位、元アニメ監督による邦画『はじまりのみち』が47位。
また、名前を聞いたこともなかったが、38位の『マイク・ザ・ウィザード』は元ディズニーアニメーターが監督し、人間をコマ撮りした特撮が楽しめる作品らしい。レビューを読むと面白そうだ。